児童発達支援事業を開業するには

児童発達支援とは

児童発達支援は、小学校就学前(6歳まで)の障がいのある子どもが支援を受けるために通う施設で、「障がい児通所支援」のひとつを指します。

日常生活における自立支援を行うだけでなく、遊びや学びの場の提供も行うことで、障がい児を支援することを目的としています。

この児童発達支援は、「児童発達支援センター」と「児童発達支援事業」の2種類に分類されます。

▶︎児童発達支援センター

施設に通う子どもの通所支援のほか、地域にいる障がいのある子どもや家族への支援を行ったり、保育園・幼稚園などの障がいのある子どもを預かる機関とも連携をし、相談・支援を行います。

児童発達支援センターでは、地域の中核となる障がい児の専門施設として、障がいの種別に関わらず適切な支援を受けられるよう質の確保を行うことが求められます。

▶︎児童発達支援事業

障がいのある未就学児が、身近な地域で発達支援を受けることができる施設のことをいいます。

通所しやすいように、できる限り身近な地域に多く設置をし、量の拡大を図ることが求められます。

また、通所する子どもたちが、日常生活における基本動作や知識・技術などを習得し、集団生活に適応できるよう支援することが目的です。

今回は、地域密着型の「児童発達支援事業」に焦点を当て、開業の仕方や開業時に必要な資格・基準などをご紹介していきます。

児童発達支援事業で提供できるサービス

利用する子どもの状況や施設のタイプ、あるいは地域によって、提供するサービス内容やひと月あたりの日程は変わってきますが、基本的には以下のようなサービスが提供されます。

児童発達支援

日常動作のトレーニングや運動プログラム、自由遊びといった、保育園や幼稚園の代わりのようなサポートを行うだけでなく、子どもの個別支援計画に応じて、聴能訓練や言語聴覚訓練といった専門的な機能訓練などを行うこともあります。

■家族への支援

子どもの発育や子育てについての相談を受けたり、家族との情報交換を密に行います。

また、障がいのある子どもを一時的に預かることで、親や家族が休息をとったり、リフレッシュすることができる「レスパイトケア」の役割も果たします。

■その他のサービス

施設への送迎、給食やおやつなどのサービスを提供する施設もあります。

開業時に必要な資格や条件

いざ開業する際に必要となる条件には、いくつかの基準が定められています。

法人であること

株式会社・合同会社・NPO法人など、いずれかの「法人」を設立し、法人格をもつことが必須です。

すでに会社組織である場合は、事業目的に「児童福祉法に基づき、児童発達支援事業を行う」という旨を明記する手続きをする必要があります。


人員に関する基準

児童発達支援事業の開業に必要な人員の基準は以下の通りです。

【管理者】

▶︎必要人数:1名

▶︎勤務形態:常勤

▶︎ほかの職務との兼務も可能。

【児童発達支援管理責任者

▶︎必要人数:1名

▶︎勤務形態:常勤

▶︎ほかの職務との兼務も可能。児童発達支援管理責任者の資格が必要。

【保育士または指導員】

▶︎必要人数:利用者数により指定人数が変わる

▶︎保育士、指導員の内1名以上は常勤

【機能訓練担当職員】

▶︎必要な機能訓練を行う場合に必要。理学療法士や作業療法士など配置した際は保育士または指導員の数に含むことができる。

■施設に関する基準

・指導訓練室、遊戯室、屋外遊技場、医務室、相談室、調理室、便所、児童発達支援に必要な設備、備品などの準備が必要になる。

・指導訓練室は、定員約10名で障がい児1人当たりの床面積2.47㎡以上が必要。

・遊戯室は、障がい児1人当たり床面積1.65㎡以上が必要。

・障がい特性に応じた設備完備(主な利用者の障がい特性が知的障害であれば静養室、難聴児であれば聴力検査室が必要)

■運営に関する基準

・利用定員が10名以上であること(主な利用者が重症心身障がい児の場合は5名以上必要)

・医療との協力体制を確立させること(連携する医療機関を定める)

・苦情受付窓口の設置すること

開業時にかかる費用

物件の賃料と内装

場所にもよりますが、敷金・保証金は50万円程度、賃料は毎月20万円以内におさめるのが無難です。

内装リフォームの相場は、内容によって大幅に変わりますが、軽微なリフォームの場合でも最低100万円はかかるといわれています。

また、内装リフォーム期間にも賃料はかかったり、初期手数料などもありますので、最初は余裕をみて予算立てしておくと良いでしょう。

消防設備

自火報設置が必須の物件の場合は、100万円以上かかることがあります。誘導灯、消火器設置程度の軽微な設置でよい場合は、15万円程度が相場です。

■事務用品

デスク周りなど、必要な事務用品を揃えるのにかかるコストは、30〜60万円が相場です。

■その他

送迎バスを使う場合は、車の購入代。子どもの状態に応じて必要になる訓練器具などの購入などがかかります。

児童発達支援事業を開業するメリット

■児童発達支援のニーズ増加

近年、発達障がいや自閉症の診断基準が変化したり、社会の理解度が高まってきたことにより、乳幼児期からの早期発見、診断および早期療育の必要性が広まりました。それにより、利用者数は増加傾向にあります。

多くの地域では、現在供給が追いついていない状況を生んでおり、児童発達支援事業の開業は、大変ニーズが高いです。特に供給が足りていない地域では、利用者不足で困ることも少なく、安定した収入を得られる可能性が高いと推測できます。

■民間企業が参入しやすい状態に

法改正に基づく規制緩和により、児童発達支援事業の開業に対して、あらゆる事業者が参入できるようになりました。この法改正は、先述したとおり、慢性的な事象所不足を鑑みて行われたとされています。

■地域貢献に大きく関与できる

これまでは、地域の施設不足や利用者のニーズに合った施設が少ないことによって、障がい者の多くは年齢が高くなるにつれて、他の地域に移住して施設に入所するケースが多い状態でした。

地域に多くの施設が開業できれば、障がい者は生まれ育った地域で長い時間過ごせるようになり、家族の安心にもつながります。多方面から障がい児とその家族、地域をサポートすることができるのです。

まとめ

いかがでしたか?

児童発達支援事業の開業は、単に障がい児の自立支援を行うだけではなく、その地域の発展にも大きく貢献しうるものです。

障がい児のサポートに興味のある方はもちろん、地域貢献のために何かを始めたいという方にもおすすめできる事業ですので、ぜひ開業を検討してみてください。

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