あん摩マッサージ指圧師になるためには

あん摩マッサージ指圧師は、筋肉の緊張を解き、血行を改善し、痛みを軽減したり、全身の機能の調整をはかり、健康増進や疾病の予防と治療を手技で行う医療専門職です。

この記事ではあん摩マッサージ指圧師になるために必要な事についてまとめてみました。

あん摩マッサージ指圧師の仕事について

あん摩マッサージ指圧師は、手のひら等で患部(ツボ)を押し、もみ、さすり、たたくことなどで神経や筋肉に刺激をあたえ、からだの血行をよくする治療を行います。器具は一切使用せず、主に手技によって施術致します。

医師と同じように人間のからだを対象とする職業であるため、体の不具合を自分の知識や技術によって、解消できるという非常に社会的な貢献も大きく感謝の言葉をもらったりと、やりがいも大変大きい仕事です。

あん摩マッサージ指圧師になるための条件

あん摩マッサージ指圧師として働くためには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格する必要があります。

この国家試験は毎年2月に行われ、合格すると免許が与えられます。

試験内容は筆記のみで、実技はありません。

・国家試験の受験資格

この試験は誰でも受けられるものではなく高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣認定の学校・養成施設(大学・短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得することが必要です。

試験科目の多くが重複している理由から、同時に「はり師」と「灸師」の試験を受ける人もいます。

あん摩マッサージ指圧師の資格取得

平成29年に実施されたあん摩マッサージ指圧師国家試験の受験者数は1584名。そのうち合格者数は1315名で合格率は83%と比較的毎年高い割合として出ています。

しかし、あん摩マッサージ指圧師の国家試験の場合、国家試験そのものよりもあん摩マッサージ指圧師の専門学校に入るほうが難しいと感じる人が多いようです。

あん摩マッサージ指圧師の養成学校は全国に20校程度しかなく、募集人数も少ないので倍率が高くなる傾向があり、昨今の不況の中、定年なく一生働ける資格職は人気が高まっています。

養成学校で学ぶ専門科目と実技について

専門科目として主に5つのカテゴリーについて学びます。

①解剖学

総論と各論に分かれています。

総論では、解剖学の意義と分類、細胞・組織・器官系統および人体の区分を学びます。

各論では、運動器系、内臓系、脈管系、神経系、感覚系など、人体を構成する諸器官について学びます。

②生理学

解剖学と生理学は、医療にたずさわる人すべてが学ぶ基礎科目です。

各論では、循環、呼吸、消化、吸収、代謝と体温、排泄、神経・筋、感覚、身体の運動、内分泌、生殖、成長と老化、生体と防御機構など、細胞と諸器官の機能を学びます。

③病理学概論

総論として病理学の意義、疾病・症候の意義と分類、疾病の経過・予後・転帰について学びます。

各論では、病因、循環障がい、退行性病変、進行性病変、炎症、腫瘍、免疫異常・アレルギー、先天性異常を学びます。

④衛生学・公衆衛生学

個人・環境衛生の項では、空気・気象、水、土地・住居、衣服、食品・栄養、廃棄物、健康・疾病、精神衛生を、公衆衛生の項では、伝染病とその予防、衛生統計、母子衛生、産業衛生、公害を学習します。

他にも、消毒法で消毒法一般とその種類と方法・応用などの知識を学びます。

⑤臨床医学各論

各疾患についてその概念、原因、症状、治療について学びます。

以上のほかに、医療概論(医学史を含む)、臨床医学総論、東洋医学概論、経絡経穴概論、関係法規などは、東洋医学技術者となるための共通の専門科目です。

実習

 専門科目の知識の習得も重要ですが、直接人体に触れて行う実技自習はある意味それ以上 に重要となるスキル部分をここで学びます。

学生同士が術者と患者になり、肩背部・側臥位でのあん摩、指のマッサージ、肩関節のマッサージ、腹臥位での指圧、下肢の指圧などを順次学習していきます。

あん摩マッサージ指圧師の活躍の場

あん摩マッサージ指圧師養成施設の卒業後、一般的には卒業生の8割くらいが病院や施術所・治療院に就職していますが、医療関係ではなくスポーツトレーナーとして活躍する事を目指す人も増えてきています。

施術所も大幅に増え、病院などの医療機関でも東洋医療技術者を積極的に受け入れるようになっています。

施術所・治療院を開業することも可能で、インターンとして働きながら臨床経験を積み、自分の腕に自信がもてるようになってから開業する人もいます。

あん摩マッサージ指圧師としての心構え

卒業後の活躍の場も大変多くなってきたあん摩マッサージ指圧師ですが、個々の技術の修練・熟達が必要であり、施術を受ける人の健康維持・増進のために技術の継承、かつ時代の要求に対応していく事が求められます。

誤った技法は体の不調を訴える人に対して治療家としての信頼を失う事につながるだけでなく、却って患者の体の不調を増長させる事になりかねません。

また患部を治療するだけでなく、手技を通じて施術を受ける人の不安を解消してあげたり、心のケアも必要です。

まとめ

あん摩マッサージ指圧は、日本が世界に誇るべき医療技術財産であり、その技術を扱えるあん摩マッサージ指圧師は体の不調や不具合に悩む人を救う上で大変重宝されるべき職種と言えるでしょう。

しかし、医師と同じように患者の体を扱う仕事であるため、個々の修練や熟達は欠かせませんし、あん摩マッサージ指圧師の仕事に対して真摯に向き合う事が求められます。

あん摩マッサージ指圧師は、養成学校での専門知識とスキル習得が必須であり、国家資格の取得もなければ就業できないですが、取得後は医療関係だけでなく、美容関係やスポーツトレーナーとして活躍される人も年々増えてきており、自身の目指す方向性に応じた働き方ができる事も大きな利点と言えます。

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